贈答品(ノベルティ・無償供与品)の会計処理:企業が把握しておくべき税務上の重要ポイント
Date: 2026.02.07
事業活動において、顧客・取引先・従業員に対して商品を贈答することは、顧客への感謝、旧正月(テト)ギフト、販促用ギフト、社内向けの贈答品など、非常に一般的な取り組みです。しかし、会計処理や税務申告を正しく行わない場合、企業は税務決算時において、費用の否認、付加価値税や法人所得税の追徴課税といったリスクに直面する可能性があります。
本記事では、現行法令に基づく贈答品の正しい会計処理方法を理解し、適切に対応するためのポイントを解説するとともに、企業にとって認められる適正な費用としてコストを最適化する方法をご紹介します。

1.会計・税務の観点から見た「贈答品」とは?
贈答品とは、企業が代金を受け取らずに出庫する商品であり、主に以下の目的で使用されます。
・顧客・取引先への贈答
・従業員への支給(福利厚生)
・販促活動、顧客フォロー・関係強化のための利用
📌 重要な注意点:
代金を受け取らない場合であっても、付加価値税および会計上は、これらは「社内消費」または「贈答」とみなされ、「非課税での出庫」には該当しません。
2.商品を贈答する場合、請求書(インボイス)の発行は必要か?
請求書および付加価値税に関する規定によると:
・贈答品を出庫する際、企業は請求書を発行する義務があります。
・請求書の記載内容:
* 税抜販売価格を記載(市場価格または企業の通常販売価格に基づく)
* 通常の販売と同様に、付加価値税を計算・申告する
📌 請求書を発行しない、または誤った内容で発行した場合、税金の追徴および行政罰のリスクがあります。
3.贈答品に係る付加価値税:どのように処理するのが正しいか?
課税対象となる生産・事業活動に使用される贈答品
顧客・取引先への贈答、または付加価値税の課税対象となる事業活動に使用される場合、企業は以下の点に留意する必要があります。
・贈答品を出庫する際も、通常の販売と同様に(アウトプットVAT)を計算・申告する必要があります。
・規定の控除要件をすべて満たす場合、贈答品に係る仕入VAT(インプットVAT)の控除が認められます。
(適法な請求書の保有、2,000万VND以上の請求書については非現金決済であること、VAT課税対象の生産・事業活動に使用されること)
📌 重要な注意点:
多くの企業が「無償で贈答する商品はVATの申告が不要」と誤解しがちですが、
👉 この考え方は誤りであり、税務調査・決算時に追徴課税のリスクにつながる可能性があります。
課税対象となる生産・事業活動に使用されない贈答品
以下のように、VAT課税対象の生産・事業活動に使用されない贈答品の場合:
・事業活動と無関係な個人への贈答
・企業オーナーの個人的目的での商品提供
👉 これらの支出に係る仕入VATは控除できません。発生した仕入VATは、個別の状況に応じて、費用または商品の取得価額に算入する必要があります。
4.贈答品の費用は法人所得税計算上、損金算入できるか?
贈答用として使用した商品の費用は、以下の条件をすべて満たす場合に限り、法人所得税計算において損金算入が認められます。
・当該支出が、企業の生産・事業活動に関連していること。
・法令に基づく適法な請求書・証憑を備えていること。これには以下が含まれます。
* 仕入商品・サービスに係る請求書
* 請求書に関する規定に従って発行された、贈答品出庫時の請求書
* 有効な支払証憑(特に高額な支出の場合)
・当該支出が、法令で定められた損金算入限度額(該当する場合)を超えていないこと。
📌 重要な注意点:
請求書や証憑が不足している場合、または事業活動に供したことを証明できない場合には、実際に費用が発生していたとしても、贈答品に係る支出は法人所得税の決算時に損金不算入とされます。
5.会計基準に沿った贈答品の正しい会計処理方法
🔹 贈答品を出庫する際の会計処理
計上内容:
・出庫した商品の原価
・納付すべき付加価値税(アウトプットVAT)
一般的な処理例:
・在庫の減少を計上
・贈答の目的に応じて、販売費または一般管理費を計上
🔹 贈答目的別に正しい勘定科目へ計上することが重要
| 贈答の目的 | 会計処理(計上科目) |
|---|---|
| 顧客への贈答 | 販売費 |
| 取引先への贈答 | 販売費 |
| 従業員への支給(福利厚生) | 一般管理費 |
| 事業と無関係な個人への贈答 | 損金算入不可(適正費用として認められない) |
6.勘定科目別に見る贈答品の会計記帳方法
🔸 ケース①:贈答品を購入して一旦在庫計上し、その後に贈答する場合
✔️ ステップ1:商品を購入し在庫に計上する際の仕訳
・借方:156、133 / 貸方:111(112/131)
📌 注意点:
当該商品がVAT課税対象の生産・事業活動に使用されない場合、仕入VATは控除不可となるため、借方133には計上しません。
✔️ ステップ2:贈答品を出庫する際の仕訳(請求書発行に基づく)
・借方:641(642、622、623、627) / 貸方:156、3331
📌 留意事項:
・売上高は計上しません。
・アウトプットVATは直接費用として処理します。
🔸 ケース②:購入した商品を在庫計上せず、直接贈答する場合
✔️ 仕訳①:購入時の処理
・借方:641(642、622、623、627)、133 / 貸方:111(112、331)
✔️ 仕訳②:贈答に伴い請求書を発行する際の処理
・借方:641(642、622、623、627) / 貸方:3331
7.企業が追徴課税を受けやすい主な誤り
⚠️ 多くの企業が、以下のような誤りを犯しています。
・贈答品を出庫する際に請求書を発行していない
・アウトプットVATを申告していない
・生産・事業活動に供していないにもかかわらず、仕入VATを控除している
・費用計上を誤っている、または証憑が不足している
・贈答品の費用を、根拠資料なしに他の費用と一括計上している
👉 これらはいずれも、税務調査・税務検査において重点的に確認されやすい典型的なミスです。
8.贈答品を適法かつ税務上安全に取り扱うために、企業が行うべきことは?
✅ 税務リスクを回避するためのチェックリスト:
・贈答に関する社内決定書/規程を整備していること
・請求書を漏れなく発行していること
・付加価値税を正しい申告期間で申告していること
・贈答の目的に応じて、適切な勘定科目で会計処理していること
・請求書・証憑を明確に整理・保管していること
💡 贈答品の取り扱いが頻繁に発生する企業の場合:
・会計・税務プロセスを標準化すること
・税務決算前に定期的な見直しを行い、リスクを未然に防ぐこと
9.結論
企業における贈答品は、対外的な支出や福利厚生にとどまらず、
請求書の発行、付加価値税の申告、費用計上に至るまで、法令に基づき正しく処理すべき会計・税務上の重要な取引です。
実務においては、わずかな手続き漏れや誤りがあるだけで、企業は次のようなリスクに直面する可能性があります。
・法人所得税の税務決算において、当該費用が損金不算入とされる
・付加価値税の追徴課税および罰金が発生する
・請求書や税務義務に関する行政処分を受ける
一方で、関連規定を正しく理解し、最初から適切に対応していれば、企業は次のようなメリットを得ることができます。
・税務リスクを主体的にコントロールできる
・会計帳簿を明確かつ透明に保つことができる
・適正な費用として計上することで、財務効率の最適化につながる
👉 したがって、贈答品の正しい会計処理を理解し、適切に適用することは、法令遵守を実現するだけでなく、長期的に安定した財務管理を行うための重要な基盤となります。





