ベトナムにおけるFDI企業の投資報告・監査・税務義務
Date: 2025.12.11
1. はじめに
外国企業、特に日系企業がベトナムへ投資する際、投資報告・監査・税務に関する法的規定を遵守することは極めて重要です。
これは法令遵守のためだけでなく、企業の透明性・専門性・信頼性をベトナムの行政機関およびパートナーに示す要素でもあります。
出資、運営、そして利益送金に至るまで、各FDI企業は現行法に基づき、正確なプロセスで報告・監査・税務義務を準備・実施しなければなりません。

2. 定期投資報告書 ― 最初に履行すべき重要な義務
投資法2020および政令第29/2021/NĐ-CPに基づき、すべての外資系企業(FDI企業)は、投資プロジェクトの実施状況について定期的に報告を行う義務があります。
具体的には:
| 報告書の種類 | 提出期限 | 主な内容 | 提出先機関 |
|---|---|---|---|
| 四半期投資報告書 | 翌四半期の初月10日まで | 出資進捗、人員、売上、費用、税務義務、環境対応、研究開発(R&D)など | 財務局;国家投資情報システムを通じた定期報告 |
| 年次投資報告書 | 翌年3月31日まで | 投資活動の成果、資本状況、利益、国家予算への貢献状況などの総合 | 財務局;国家投資情報システムを通じた定期報告 |
| 投資監督および評価報告書 | 年次報告書:7月10日まで 上半期(6か月)報告書:2月10日まで | プロジェクトの経済・社会的効果、法令遵守状況、および環境への影響に関する包括的な評価 | 財務局;国家投資情報システムを通じた定期報告 |
⚠️ 注意:
未提出または遅延提出の場合、2,000万~5,000万VND の行政罰が科され、「投資未遵守企業」と評価される可能性があります。
これは、投資許可証の変更申請、プロジェクト拡大、事業期間延長に直接影響します。
3. 財務諸表監査 – 全FDI企業に義務付けられた要件
会計法2015および独立監査法2011によると、外国投資企業(FDI企業)は毎年、財務諸表の監査を必ず実施しなければなりません。
🔹 実施プロセス:
ベトナム会計基準(VAS)に基づき財務諸表(FS)を作成
財務省が認可した独立監査法人を選定し監査を実施
監査済みの財務諸表を、会計年度終了後90日以内に以下へ提出:
所管税務局
計画投資局(DPI)
商業銀行(資金取引または外貨借入がある場合)
🔹 監査の目的:
財務データの正確性・適法性を確保
税務決算、投資効果評価、利益送金の根拠となる
💡 アドバイス:
在ベトナムの日系企業は、日本語対応可能な監査法人、またはFDI支援に精通したHelpAllのようなパートナーと連携することで、監査時のデータ解釈やコミュニケーションを円滑に進めることができます。
4. ベトナムにおける外資系企業(FDI企業)の税務義務
事業活動の全期間を通じて、FDI企業は以下を含む、ベトナム国家に対する基本的な税務義務を完全に履行する必要があります。
| 税目 | 主な特徴 | 申告・納付期間 |
|---|---|---|
| 法人所得税(CIT) | 課税所得の20%(投資優遇条件を満たす場合、軽減措置あり) | 四半期/年次 |
| 付加価値税(VAT) | 商品・サービスの種類に応じて0%、5%、または10% | 直前年度の物品販売およびサービス提供による総売上高が500億VND以下の場合は四半期申告、500億VNDを超える場合は月次申告となります。 |
| 個人所得税(PIT) | 外国人労働者を含む、従業員の給与・賃金所得から源泉徴収 | 四半期/年次 |
| 外国契約者税(FCT) | 商品・サービスの提供によりベトナムで所得が発生する外国の法人・個人に課税 | 発生都度/月次 |
| 年次財務諸表 | 監査済み財務諸表と併せて提出が義務付けられている | 会計年度終了日から90日以内に、規定に基づき関係当局へ提出する必要があります |
✔ 利益送金に関する注意点
FDI企業、特に日本企業が利益を本国へ送金するには、以下条件を満たす必要があります:
法人所得税(CIT)の義務を完了している
監査済み財務諸表が有効で、税務当局の承認を得ている
利益送金の少なくとも7営業日前に税務局へ文書通知を送付
遵守しない場合、銀行が取引を保留したり、資金源の追加説明を要求される可能性があります。
5. FDIコンプライアンスにおけるバックオフィスサービスの役割
多くの外国企業は、以下の点で課題を抱えています。
– ベトナムの会計制度および会計基準(VAS)を正確に理解すること
– 各種報告書、税務、監査の提出スケジュールを管理すること
– ベトナム語で複数の行政機関と対応すること
➡️ そのため、会計・税務・法務・人事を含む専門的なバックオフィス業務のアウトソーシングを活用することで、以下のメリットが得られます。
– 提出遅延や法令違反による罰則リスクの低減
– 運営コストの最適化
– コアビジネスへの集中
多くの外国企業を支援してきた実績を持つHelpAllは、ベトナムにおけるFDI企業向けに、法務および会計コンプライアンスのワンストップソリューションを提供しています。
結論
投資報告、監査、税務に関する規定を十分に遵守することは、FDI企業にとって法的リスクを低減すると同時に、ベトナムにおける企業としての専門性と信頼性を高めることにつながります。
また、2026会計年度から適用される最新の通達第99/2025/TT-BTCにより、新たな会計基準が導入されます。これにより、特に日本資本のFDI企業にとって、IFRSに近づくことで財務報告の透明性と一貫性が向上し、監査時の修正リスクが低減されるほか、財務管理および長期的な投資判断をより効果的に支援することが可能となります。





