人事担当者が社会保険手続きでよく起こすミスとその解決方法
Date: 2025.12.29
企業において、人事部(HR)は従業員の社会保険(BHXH)に関する書類を「受領-処理-提出」する中心的な役割を担っています。業務自体は決して珍しいものではありませんが、実際には、特に電子取引を通じて手続きを行う際、書類の作成・提出プロセスでHRがミスを頻発するケースが少なくありません。
これらのミスは、書類の不受理や処理遅延を引き起こし、従業員の権利に影響するだけでなく、企業全体の業務進行にも支障をきたします。
本記事では、HRがよく直面する代表的なエラーを体系的にまとめ、具体的な解決策とともに解説します。
これにより、人事担当者が作業時間を大幅に削減し、書類の差し戻しを最小限に抑えることを目指します。

1. 企業情報または従業員情報の入力ミス
これは、電子社会保険手続きにおいて最も頻繁に発生するエラーです。特に以下の情報欄で誤入力が多く見られます。
・納税番号/事業所コード/管轄社会保険機関コードの誤り
(エラーコード:SE003、SE004、SE005、CE010)
【原因】
・HR が電子取引登録用の納税番号を誤って入力している
・事業所コードが BHXH(社会保険)側で発行された情報と一致していない
・管轄社会保険機関を誤って選択している
【解決方法】
・「設定 → サービス利用情報」画面で入力内容を再確認する
・ベトナム社会保険(BHXH Việt Nam)からの確認メールと照合する
・社会保険公式サイトで情報を検索・確認する:
https://baohiemxahoi.gov.vn/tracuu/Pages/don-vi-tham-gia-bhxh.aspx
・情報が誤っている場合 → 速やかに再登録または情報修正を行う
2. 書類の構造不備・形式エラー・添付ファイル数の超過
(エラーコード:CE006、CE030、CE031)
・XML 構造の誤り
・BHXH(社会保険)のシステムがアップグレードされ、書類構造が変更された際に発生しやすい
・または、企業側のソフトウェアが最新バージョンに更新されていない場合にも発生
・添付ファイル数の超過
・1 つの申請につき、BHXH が許可している添付ファイルは最大 6 個まで
【解決方法】
・複数の添付資料は、アップロード前に 1 つのファイルにまとめる
・使用中の AMIS/MISA または IVAN ソフトウェアを最新バージョンに更新する
・システム側の不具合が疑われる場合は、技術サポートへ問い合わせる
3. 電子署名エラー ― HR が最もよく遭遇するトラブル
(エラーコード:CE013、CE014、CE015、CE017、CE022、CE024)
【よくあるエラー内容】
・BHXH に登録している電子署名とは異なる電子署名を使用している
・電子署名の有効期限が切れている、または失効している
・添付ファイルをアップロード前に署名してしまい、システム側で拒否される
・電子署名の形式が「通達 04」の技術基準に適合していない
※通達 04 のリンク:
https://thuvienphapluat.vn/van-ban/Cong-nghe-thong-tin/Thong-tu-04-2019-TT-BTTTT-quy-dinh-ve-lien-thong-cung-cap-dich-vu-chung-thuc-chu-ky-so-418372.aspx
【解決方法】
・「設定 → 電子署名」で最新の電子署名情報に更新する
・BHXH に登録済みの正しいトークンのみを使用する
・電子署名の有効期限を定期的にチェックする
・事前署名が不要な書類の場合 → 未署名(クリーン)ファイルをアップロードし、システム上で署名する
4. 旧 IVAN サービスを停止していない、または重複登録によるエラー
(エラーコード:CE006、CE007、CE044、OE001)
【原因】
・企業が別の IVAN 事業者で既に登録しているにもかかわらず、HR がその事実を把握していない
・旧 IVAN サービスの解約手続きが未完了で、新しい IVAN に登録できない
・システム上で、同一事業所の登録情報が重複して認識されている
【解決方法】
・旧 IVAN の解約処理を行い、確認メールが届くまで待つ
・ソフトウェア内で登録状態を再確認する
・重複登録の疑いがある場合は、IVAN 事業者のライブチャットに連絡して早急に対応してもらう
5. 手続きまたは申告書コードの誤りによる提出
(CE026、CE031、CE049)
【よくあるエラー内容】
・電子申請に未対応の手続きを提出している。
・社会保険(BHXH)側のシステム変更により、申告書コードを誤って選択している。
・641a/642aの書類であるにもかかわらず、HR担当者が複数の労働者を選択し、規定人数を超えている。
【対処方法】
・提出前に、該当手続きが電子申請に対応しているかを必ず確認する。
・申告書コードを最新のものに合わせるため、ソフトウェアを更新する。
・641a/642aの場合は、必ず労働者1名のみを選択する。
6. 無効な情報による申請書類の却下
(エラーコード:005、263)
【よくある原因】
・住所情報が不十分(番地、通り名、建物名などが未記載)。
・営業許可証のスキャンファイルが不鮮明、または開くことができない。
・社会保険(BHXH)の納付方法を誤って選択している。
・申告書の内容が社会保険担当官の要求に沿っていない。
【対処方法】
・社会保険機関(BHXH)から送信されたメールを確認し、修正指示内容を明確に把握する。
・却下された申請書類をコピーし、内容を修正する。
・鮮明で、PDF/JPEG形式に適合したファイルを準備する。
7. 社会保険(BHXH)システムの一時的な障害
(エラーコード:SE999、CE999)
【症状】
・申請書類を提出できず、システムがフリーズする。
・処理中の申請書類が途中で停止し、反応がなくなる。
【対処方法】
・システム復旧の通知を待つ。
・別の時間帯に申請書類を再提出する。
8. BHXH(社会保険)書類のエラーを最小限に抑えるために、HRが行うべきことは?
✔ 提出前に情報を入念にチェックする
-> 書類エラーを最大70%削減することが可能。
✔ 新任HR向けに電子社会保険(BHXH)手続きの社内研修を実施する
-> 業務理解不足によるエラーは非常に多く発生する。
✔ 電子署名の有効期限および企業の法定書類を定期的に管理・確認する
-> 不要な却下や差戻しを未然に防ぐ。
✔ 手続き別にBHXH書類のチェックリストを整備・運用する
-> HR業務を「迅速・正確・漏れなく」進めることができる。
✔ 信頼でき、迅速なサポートが受けられるIVAN事業者を選定する
-> サポート対応のスピードが、書類処理全体の進捗を左右する。
9. 結論
実際のところ、電子社会保険(BHXH)申請における多くのエラーは、業務内容が過度に複雑であることが原因ではなく、情報の不一致、手続き操作の誤り、または処理過程における技術的トラブルといった、非常に身近な要因から発生しています。これらのエラーを早期に把握できない場合、申請書類が何度も差し戻され、処理期間の長期化や、従業員の権利・利益の遅延につながる恐れがあります。
しかし、人事部門が「なぜエラーが発生するのか」を正しく理解し、「適切な対処方法」を把握していれば、状況は大きく改善されます。申請業務はもはや負担ではなく、主体的かつ迅速・正確に進められるプロセスへと変わります。書類却下のリスクを最小限に抑えるだけでなく、従業員の権利を適時に確保することにもつながり、人事管理における企業の高い専門性と信頼性を示すことができるのです。





