2025年最新版|ベトナムにおけるFDI企業の代表的な投資形態5選
Date: 2025.09.19
ベトナムは、アジア・太平洋地域における戦略的な投資先としての地位を引き続き確保しています。政治的安定性、人件費の競争力、柔軟な優遇政策などを背景に、特に日本を含む多くの外国企業の投資を集めています。FDI企業がベトナムで成功を収めるには、2020年投資法および2025年改正法令に則った合法的な投資形態を理解することが不可欠です。

以下に、外国企業が選択する代表的な5つの投資形態をご紹介します。
1. 出資・株式取得・持分取得による投資
定義:
外国投資家がベトナム企業に出資、または株式・持分の一部を取得し、ベトナム進出ができる投資形態です。
例:
ベトナムの物流会社の株式30%を取得し、現地市場に参入します。
この形態では、新しく法人を設立する必要がなく、最速でベトナム市場に参入できることから、多くの日本人投資家に選ばれています。
メリット:
・既存企業を通じた迅速な市場参入が可能。
・設立コストや進出リスクが低い。
・既存の顧客・パートナー・人材ネットワークの活用が可能。
法的留意点(2025年):
一部業種では、外国人による出資・買収にあたり、事前に投資管理当局の承認が必要です。特に、持株比率が一定以上を超える場合は要注意です。
2. 100%外資系企業の設立
定義:
外国の投資家がベトナムで100%出資することによって法人を新たに設立する投資形態です。現地資本の参加はありません。
例:
日本の大手グループが、北部バクニン省の工業団地に電子機器製造会社を設立。
これは、ベトナムへの長期的な投資コミットメントを示す形態であり、主に製造業、ハイテク産業、専門性の高いサービス分野で採用されています。
メリット:
・経営戦略・業務運営のコントロールが可能。
・企業文化や管理体制の構築が自由。
・工業団地や優遇産業への投資により、税制・用地等でのインセンティブ活用可能。
プロセス:
2025年に投資登録証明書(IRC)および企業登録証明書(ERC)の取得手続きはデジタル化が進み、処理期間は約15~20営業日へ短縮されています。
3. 事業提携契約(BCC:Business Cooperation Contract)
定義:
外国投資家とベトナム側パートナーが法人を設立せずに、契約ベースで事業を行う進出形態です。両者は出資、利益配分、リスク負担を事前に合意した割合に基づいて行います。
例:
ベトナムのスタートアップと日本の投資ファンドがAIプラットフォームを共同開発します。
メリット:
・柔軟な事業連携が可能。
・初期コストを抑制できる。
・試験的プロジェクトや短期提携、法人設立が難しい分野に適している。
一般的な例:
・AI・デジタル変革関連のプロジェクト。
・食品業界における製造・流通面での提携。
4. BOT・BTO・BT契約(インフラプロジェクト向け)
定義:
国家と外国投資家が共同でインフラ整備または公共サービスを実施するPPP(官民連携)方式で、「出資・運営・引渡し」が基本原則です。
例:
日本の投資家が高速道路を建設・運営し、20年後に国へ移譲します。
この形態は、交通、水道・排水、電力、廃棄物処理などの公共インフラプロジェクトに多く採用されています。
2025年の動向:
政府はクリーンエネルギーやスマートシティ交通への民間投資を積極的に奨励しており、BOT・BT契約は引き続き有力な選択肢です。
5. 投資ファンドや運用会社を通じた間接投資
機関投資家にとってのもう一つの選択肢は、ベトナムの金融投資ファンドを通じて投資を行うことです。
定義:
外国の機関投資家が、ベトナム国内の金融投資ファンドを通じて資金を投入し、直接企業を運営せずに投資する方法です。
例:
ベトナムのフィンテックやエドテックスタートアップに特化したベンチャーキャピタルファンドへ出資します。
メリット:
・リスク分散・柔軟な投資が選択可能。
・経営への関与が不要。
・戦略投資やスタートアップ分野への投資に最適。
注意:
2025年に証券委員会および中央銀行は、外国資本の透明化・マネーロンダリング対策の規制を強化しています。
結論
最適な投資形態を選択することは、ベトナム市場におけるFDI企業の成功と法令遵守・効率的な運営の鍵です。
HelpAllは、日本企業をはじめとする多数の海外企業を長年にわたりサポートしてきた実績を活かし、市場調査から法令対応・運営支援まで、あらゆる段階で投資家の皆様をサポートいたします。