『Anh trai vượt ngàn chông gai(困難を越える兄弟たち)』がギネス記録を樹立し、ベトナム伝統衣装への愛がさらに深まる
Date: 2025.04.17
ベトナムの伝統衣装は、生活と文化に欠かせない存在であり、地域や時代ごとに異なる個性を持ちつつ、民族の精神を映し出しています。
その形や素材の一つひとつに、ベトナム文化の美しさと誇りが込められています。
アオザイ ― ベトナム女性の美の象徴
ベトナムの伝統衣装を語る上で、アオザイは欠かせません。
柔らかく優雅なシルエットは、ベトナム女性のしとやかさを象徴する存在です。
時代と共に変化しても、アオザイは常にその深い文化的価値と美的魅力を保ち続けています。

ベトナム伝統衣装の発展の歩み
現在まで、アオザイの起源や登場時期について正確に解明した研究は存在していません。最も初期の形とされるのは、1744年頃の「交領(アオ・ザオ・リン)」で、ゆったりとしたロング丈で、斜め襟、サイドスリット入りのデザイン。色付きの帯と黒いスカートと組み合わせて着用され、四つ身長着(アオ・トゥ・タン)に似た形状です。
アオザイは時代とともに変遷し、以下のような名称とスタイルを経てきました:交領、四つ身長着、ルモール・アオザイ、レ・フォー・アオザイ、ラグラン・アオザイ、そして1970年以降の現代アオザイへと続いています。
アオザイ – ベトナム女性のしなやかな美の象徴
時代の流れに合わせて進化しつつも、アオザイは常にベトナム女性の優雅さと奥ゆかしさを象徴する伝統衣装であり続けています。
アオバーバー – 南部の素朴な魅力
アオバーバーは、ベトナム南部の農村地帯で男女問わず親しまれてきた伝統衣装です。シンプルなデザインで、長袖または半袖、中央にボタンが並ぶ実用的な作りが特徴。
現在でも、伝統祭や舞台衣装、日常のお出かけ着として広く用いられています。
インディゴ染めの衣装(アオチャム) – 山岳民族の文化を纏う
アオチャムは、タイ族やヌン族をはじめとする北部の少数民族の伝統衣装です。模様や装飾がない藍染のシンプルな衣装には、素朴で誠実な民族の美しさが表れています。時には刺繍や織り模様が加えられ、民族ごとの独自性が際立ちます。

その他の代表的な伝統衣装
ベトナムの伝統衣装は地域や民族ごとに多彩で、デザイン・色・素材に独自の文化が表れています。
・チャム族:男性は斜め合わせの上着にショートパンツと巻きスカート。女性は丸襟のブラウスにプリーツスカートや筒型スカートを着用。
・モン(H’Mông)族:カラフルな麻布で作られた上着、プリーツスカート、ゲートル、伝統帽子など、華やかな刺繍が特徴。
・ムオン族:男性は丸襟の上着と幅広のズボン、女性は長袖の短めの上着に黒い織模様入りスカートを合わせる。
・タィ族(アオ・コム):アオ・コム、黒いスカート、ピューと呼ばれるスカーフで構成され、女性の気品と誇りを象徴。
これらの衣装は美しさだけでなく、ベトナムの民族文化の豊かさと多様性を映し出しています。

伝統衣装 ― ベトナム人、特に若い世代の誇り
近年では、アオザイ、アオ・ザオ・リン、アオ・ニャット・ビンなどの伝統衣装を身にまとう若者たちの姿が、歴史的建造物や観光地、さらには海外でもよく見られるようになっています。
彼らは単に民族文化への愛を表現するだけでなく、古代衣装の復元に情熱を注ぎ、その誇りを世界に発信しています。
古代衣装を学ぶことは、地域ごとの風習や歴史と深く結びついた文化の宝庫に触れることでもあり、若者が祖先や伝統とつながる感動的な方法でもあります。
ギネス世界記録が証明する、ベトナム伝統衣装の息の長い魅力
リアリティ音楽番組『Anh trai vượt ngàn chông gai(困難を越える兄弟たち)』は、2025年3月22日のコンサートにて、
「ベトナム伝統衣装を着た最多人数が集まったイベント」として正式にギネス世界記録を樹立しました。
5,000人以上がアオザイ、アオバーバー、アオトゥータンを身にまとい、「ギネスの道」に集結。記録はギネス国際審査員の監督のもと認定されました。
このイベントは、文化スポーツ観光省とVTVからも表彰され、
舞台の上でも、そして人々の心の中でも、ベトナム伝統衣装が美しく輝いた誇り高き瞬間として、何百万人ものベトナム人の胸を熱くさせました。





