低出生率
ベトナム、出産制限を正式に撤廃:2025年の人口政策における大きな転換点
20年以上続いた出生制限政策の終了 2025年6月3日、常任国会委員会は「2003年人口条例第10条の改正法案」を正式に可決し、「各家庭は子どもを1~2人だけ産むべき」というスローガンに終止符を打ちました。これは、20年以上にわたって適用されてきた方針の大きな転換点です。 今回の改正により、夫婦や個人は以下の点について、自由に判断できるようになります:・出産の時期・子どもの人数・出産間隔 …これらは、年齢、健康状態、経済状況、学業・労働条件、子育て能力に応じて、平等かつ自発的な原則のもとで決定されます。 ベトナムにおける人口政策の発展過程 ► 1961年~1975年:戦時中における人口政策の形成抗戦の最中、ベトナムは人口爆発が経済や社会に及ぼす悪影響を早期に認識しました。 ・1961年:出産に関するガイドライン付きの決定216/CPを発布・1963年~1970年:出生抑制を促す指示や決定が続々と出される・主な対策:啓発活動、自発的な協力を促す説得や広報運動の実施 ・成果:自然人口増加率:3.8% → 2.5%に減少女性1人あたりの平均子ども数:6.3人 → 5.25人に減少 ► 1976年~1990年:統一後の政策強化・1979年国勢調査:総人口5,270万人・出生率は依然として高く、「戦後の出産回復」や南部への大量移住が原因・政策内容:啓発の対象を全国民に拡大経済社会の発展と連動した出生抑制目標の導入 ► 1990年~2024年:「1~2人」政策の導入と定着1990年代初頭から「夫婦は1~2人の子どもが望ましい」というスローガンが打ち出され、2003年の人口条例第10条にて正式に明文化されました。規定内容:・出産時期および間隔の決定権・原則として1~2人の子ども(特別な場合を除く)・生殖の健康保護および感染症予防 ◆ 新たな課題:出生率の低下・2020年代以降、ベトナムは出生率の急速な低下という新たな問題に直面しています。これは人口維持に必要な「置換水準(2.1人)」を下回るものです。・2021年:2.11人/女性・2024年:1.91人/女性まで低下・都市部(ホーチミン・ハノイ):わずか1.3~1.5人/女性 この状況は、急速な高齢化や将来的な労働力不足を引き起こす可能性があります。 2025年の出生奨励政策:新たな転換点 上記の状況に対応するため、2025年6月3日に人口条例第10条が以下のように改正されました: 「すべての夫婦および個人には、出産の時期、子どもの人数、出産間隔を自ら決定する権利がある…」 🔹 主な改正ポイント:・子どもの人数に関する制限を撤廃・複数の子どもを持つ公務員に対する行政処分を廃止・国家として「2人の子どもを持つこと」を奨励し、持続可能な人口構造の維持を目指す 意義と影響 人口条例の改正は、ベトナムの人口政策における大きな前進です:・出産の権利を尊重・急速な高齢化のリスクを軽減・人口規模と人口構造の安定化に貢献 ☑️ しかし、政策を実効的にするためには以下の取り組みが不可欠です: ・小さな子どもを持つ家庭への経済支援・医療・住宅・教育の強化・子育て世代に優しい職場環境の整備(育休制度、柔軟な勤務時間など)・「子どもを適切に持ち、しっかり育てる」という社会意識の転換を促す広報活動